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2009 年4 月6 日 (月 )

「バイバイ、カリンズ」第200報


2009年3月9日、約2年間過ごしたカリンズ森林を去る日が来ました。
当日はエコツーリズムセンターの同僚の大部分が研修に行ってしまっていたこともあり、湿っぽい挨拶などもなくあっさりとしたものでした。私自身も涙が頬を伝うこともなく、この日の天気と同じように晴れ晴れした気持でカリンズを後にしました。それは、これからも気持ちの上ではつながっているとどこかで信じているからかも知れません。
 

 さて、長らくお付き合いをいただきましたこの『カリンズ日記』も、私のカリンズ森林での活動終了をもって幕を引くこととなります。このブログを通して、野生チンパンジーの生息地であるカリンズ森林とそこで暮らすたくさんの野生生物、森林周辺に暮らす人々の生活、そこにある問題、未来に向けた解決策、そして日本に暮らす私たちとの接点などをお伝えできたのであれば嬉しく思います。つたない文章を読んでくださった皆様、応援してくださった皆様にこの場を借りてお礼申し上げます。今後はカリンズ森林での活動経験を踏まえて、2009年ゴールデンウィークにズーラシアにオープンする「チンパンジーの森」にて様々な形で来園される皆様に提供できればと思っています。
 それでは、「チンパンジーの森」で皆様をお待ちしております。

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2009 年4 月4 日 (土 )

「Farewell party」第199報


 任期を満了してカリンズを離れる日を2日後に控えたその日、私が同行する最後のチンパンジートラッキングツアーとコミュニティーツアーのお客様を迎えました。この日は同時に私がカリンズの森に入るのも最後となる日でした。お客様と一緒に森を歩きながら、先行しているスタッフの元へと向かうと、イチジクの木の上にいる親子のチンパンジーを観察することができました。その後、このイチジクの木に他のチンパンジーも集まってきて、計11頭ものチンパンジーを観察することができました。最後にたくさんのチンパンジーを見られて、なんとなく「別れを言いに来てくれたのかな」なんて思っちゃいました。

 午後から同行したコミュニティーツアー終了後も、女性グループのメンバーたちが私の送別会を準備していてくれました。飾り付けられた教会を舞台に歌と踊りを堪能し、お別れのプレゼントももらいました。おそらく、今日のために練習をしてくれたのであろう歌と踊りは心のこもったものでした。歌の中にあった「別れの時が来た。神様の思し召しがあったら、いつの日かまた会いましょう。」というフレーズが今でも心に残っています。
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2009 年4 月4 日 (土 )

「ワークショップ開催」第198報


 女性グループのメンバーに「ぜひやって欲しい」と頼まれていた①草木染め ②石鹸作り ③ケーキ作りのワークショップを開催しました。メンバーからは要望が高かったこれらのワークショップですが、正直開催するかしないかはとても迷いました。と言うのも開催できる日程が私がカリンズを離れる5日前となってしまったからです。この日程では実施することは可能ですが、その後のフォローができずにやりっぱなしになってしまいます。私がそれでも開催することに踏み切ったのは、これまで一緒に活動してくれたメンバーへのせめてものお礼としての意味合いが強かったのかも知れません。


草木染めの講師にはカンパラの近くに住むウガンダ人の先生を招きました。メンバーの前で様々な色に染め上げられていく様は手品のようでもあり、メンバーには良い刺激になったことでしょう。

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2009 年4 月4 日 (土 )

「迫る迫る、焦る焦る」第197報


 最近本当に時間がありません。カレンダーとにらめっこしながらスケジュールを組む毎日です。赴任当初、先は長いと思っていた任期の終了が目前に迫っています。今更ながら、「あれもしなきゃ、これもしなきゃ」と焦る自分と、「今からやっても中途半端になる。ここで新しいことに手を出すのは得策ではない」という冷静な自分と、「やるべきことはやった。あとは静かに余韻に浸ろう」というなかば満足した自分とが交錯します。
 そんな中、私の任期終了後には業務を引き継いでいってくれるだろうと思っていた同僚が、私と時を同じくして異動になることが明らかになりました。「ある程度は任せて行けば大丈夫」と踏んでいたものを、すべて書面にして後任の職員にも引き継いでいかなくてはならなくなりました。予定が狂ってまたまた焦る焦る…。

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2009 年4 月4 日 (土 )

「ホテル回り」第196報


 カリンズ森林での私の任期もあとわずかとなったある日、以前からエコツーリズムセンターの同僚達と話していた近隣のホテルへの宣伝活動に出かけることになりました。ずいぶん前から計画していたのですがなかなか話が進まなかったため、ホテルに出向く際に持参しようと準備していた印刷物の完成を待たずしての実施となりました。同僚と一緒に、近隣の国立公園を訪れる観光客を対象にした高級ホテルをはじめ、最寄りの町にあるバックパッカーが利用するホテルなど計7軒を回りました。現状では宿泊施設を備えていないカリンズ森林エコツーリズムセンターにとって、近隣のホテルとタイアップすることは非常に有効です。まだまだ認知度が低いカリンズ森林のエコツーリズムを少しでも多くの人々に知っていただき、足を運んでいただけたらと思います。
投稿時刻 15:47  | 個別ページ
2009 年4 月4 日 (土 )

「カリンズ森林の北の端」第195報




 カリンズ森林の北側にKabukwiriという村があります。最近人口が急増しているこの村の周辺では、居住地や農地確保のために森が切り開かれたり、森林内でも違法な樹木の伐採や野生動物の密猟などが頻繁に行われたりしています。ここはまさに森と人々の生活がせめぎ合う最前線と言えます。今回、このKabukwiri村で行うエコツーリズムの開発のために、首都カンパラにある旅行代理店の方と訪れました。村の人々がエコツーリズムから恩恵を得られるようになれば、森林への被害を減少させることができます。
 高台にあるKabukwiri村では、カリンズ森林や隣接するクイーンエリザベス国立公園を見下ろす壮大な景色に出会うことができ、クレーターの内側一面に植えられたバナナのプランテーションも見ものです。しかし、アクセスが悪いのが難点。乾季のこの時期でさえ途中の坂で車がスタックしてしまう始末ですので、雨季のぬかるんだ道を思うと、ツアー内容を熟考する必要があります。

投稿時刻 15:23  | 個別ページ
2009 年4 月4 日 (土 )

「草の根技術協力プロジェクト ―横浜市立動物園&ウガンダ野生動物教育センター―」  第194報


昨年5月に横浜市で行われたアフリカ開発会議(TICAD Ⅳ)に先立って、横浜市長と駐日ウガンダ大使の間で覚書が交わされた野生動物の飼育・繁殖技術協力に関するプロジェクト。JICAの協力で横浜市立動物園とウガンダ野生動物教育センター(以下、UWEC)の職員などが相互に行き来して指導や研修などを行います。昨年11月にUWECスタッフ2名が横浜を訪れ、約1ヶ月の研修を実施しました。今回は横浜市から2名の職員が来ウガンダし、UWECで活動しました。先日は、UWECとの環境教育に関する協力を模索する事を目的に、カリンズ森林にも視察に来られました。カリンズ森林には2泊と言う短期滞在でしたが、私が通常行っている活動の視察や環境教育に関するスタッフとのミーティングなどを行いました。
 この後、横浜からの職員はUWECには約2週間滞在し、野生動物の飼育繁殖技術や展示手法、飼育管理方法に関する技術移転を行いました。

投稿時刻 14:50  | 個別ページ
2009 年3 月30 日 (月 )

「歓声? 悲鳴?⑧」第193報


 帰宅後、カリンズでチンパンジーの研究活動をしている研究者に報告すると、「これまで観察例があるのは、オスのアカンボウが殺された例がほとんどで、特にオスがアカンボウのメスを殺した例は、初めての報告になるだろう。」と言うのです。
 また、「性皮が腫れるのはホルモンの影響なので、たった今子どもを失った母親の性皮が腫れると言う事はない。だから、食べられていたのはレナの子どもではないだろう。」とも。

 その日隣接するグループが近くに来ていなかったか、最近他のグループから移籍してきたメスはいないかなど、もっと詳しく調べる必要があるので、現在調査が続いています。最終的にはDNA判定で親子関係を明らかにするとこができれば、この日のできごとの顛末が究明できる事でしょう。
投稿時刻 9:56  | 個別ページ
2009 年3 月28 日 (土 )

「歓声? 悲鳴?⑧」第192報




 大きな獲物を一人で堪能していたビクターがようやく食べ終えて移動を始めた時、騒ぎがあってからすでに約2時間半が経過していました。私達はビクターが長時間とどまっていた木の下にゆっくり近づき、周囲をじっくり捜索します。下草をかき分けながら慎重に歩を進めると、まず腸の一部が見つかりました。太さが鉛筆一本分もない程の腸です。続いて肝臓の一部が見つかりました。通常、他の動物を捕食するものにとって、栄養価の高い肝臓は見逃さない部位です。そして最後に見つかったのが、腰周囲の体の一部。図らずも最も意義深い落し物となったのが、この腰部でした。落ちていた腰部の性器から、その個体がメスであった事が判明したのです。
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2009 年3 月26 日 (木 )

「歓声? 悲鳴?⑥」第191報


 他のチンパンジーがビクターを遠巻きにしている中、レナだけがビクターと同じ枝に座り、彼が食べる様を眺めています。この時、てっきりビクターが食べているのはレナの子だと思っていた私は、この2頭の関係をいろいろ思い描きました。「レナはきっと子どもを取り返しに行ったんだ」とか、「自分の子どもが食べられている様を見るのは、つらいだろうな」とか、「さっきあくびを繰り返していたのは、イライラしていたからだろう」など、すっかり感情移入してしまっています。

 結局、私達の視線を避けるように移動したビクターにレナが追従する事はなく、その後はビクター一頭で最後まで食べ続けました。

投稿時刻 9:54  | 個別ページ